アロマあれこれ le quatre-vignt

アロマの勉強中。使ってみたアロマオイルやアロマ関連書籍の紹介も

ジュニパーベリー  ジンの…

ジュニパーベリーと書いてもアロマに親しんでいる人以外は「?」だろうなぁ。
ジンの香り付けに使われる香りなので、ジンの香りといって仕舞えばそれで終わり…なんだけど。

   

ジンと一口に言っても色んなジンがある。

私の中では、ビーフィーター>ゴードン>タンカレーボンベイサファイアの順で、香りと味が華やかでクリアになっていく。

私が一番好きなのはゴードン(もっともこの頃のゴードンはちょっと味が変わったみたい。世の中スッキリ系が流行りのよう)。

雑味というと悪い言葉のように聞こえるかもしれないけれど、本来の香りや味を引き立たせる役割もあるのかなぁと思ったのがゴードン・ジン。
ジュニパーベリーの香りと、土の香りとかちょっと草っぽい香りとかがほんの少量混ざっていて、あぁきっとジュニパーの木って近くへ寄ったらこんな香りがするんだろうなぁと感じる。
タンカレーボンベイサファイアはジュニパーの香りがすごくクリアで、そこに華やかさも加わって、素晴らしいと思うのだけど、単独で飲む分にはあまりにクリア過ぎて面白くないと思ってしまう。

ジュニパーベリーの精油の方は、ゴードンを強めていったような香り。雑味がないのだけれど、クリアになったというよりも、濃厚になって深みを増した感じ。
ヒノキ科なのだけど、香りを苦手に感じる人も多いのでは?と思う。
ジュニパーベリーはむくみをとったり、強壮作用があったり…と冷え性にとって有難い。昔かかっていた鍼灸の先生によると日本の気候は水分が多いので、その分「水毒」の人が多いそう。
香りが苦手という人には、ブラックペッパーやフェンネル、あるいはグレープフルーツといった精油との組み合わせを試してみて欲しいなと。
「レモン的」な香りが立ち上がる感じになります。レモン的としたのは、レモンというには清涼感というかシャープな香りではないから。酸味の香り、フルーツ酢の「すっぱい」香りかな…。
どうもα-ピネンの相乗効果なのか、同じモノテルペン炭化水素類のリモネンに香りが似てくるみたいです。
ただし、グレープフルーツと組み合わせて皮膚に使用する場合は、使用後12時間から24時間は日光に当たらないでください。グレープフルーツに光毒性があるためです。精油を植物性の油(キャリアオイル)で希釈した場合も同様です。ですのでグレープフルーツの精油を使うのは夜にするのが無難ですね。

ジュニパーベリー
Juniperius commus
ヒノキ科
果実(および葉)から水蒸気蒸留法で抽出(ベリーが付いていることに注意。葉や枝だけから抽出されたモノは正確にはジュニパーベリーではなくジュニパーブランチといって区別される場合もあります。表記に注意しましょう)。

α-ピネン等のモノテルペン炭化水素
テルピネン-4-オール:モノテルペンアルコール類
テルピネン-4-オールは強い抗菌作用を持つ成分です。
ジュニパーベリー自体には禁忌はあまりないのですが、排出力が特徴の精油なので、妊娠中には用いない方が無難だと思います(ロバート・ティスランド&トニー・バラッシュ、高山林太郎訳『精油の安全性ガイド』によればジュニパーベリーと別の精油が混同され続けてきたせいで、通経作用を持つと誤解されていると書かれてはいますが)。
皮膚刺激を感じる人もいますし、赤くなってしまう場合もありますので、濃度は薄くして使うのがオススメです。翻訳書では皮膚刺激に触れられていませんが、アジア系とヨーロッパ・アメリカ系の人とでは皮膚の薄さが異なるからかもしれません。