人生に影響を与えた1冊<今週のお題>
人生に…と言われましても
50数余年、生きてきますと
一色で染めきれず、職やら立場やら
それぞれの分野でいろんな本に出会って
生きてきております。
とはいえ1冊となりますと
思春期の1冊となりますでしょうか
倫敦塔が一緒に入っていたかどうかは?ですが
文鳥や永日小品が入っていたのは確か。
百年待っていてくださいの女性
この辺りだったね、お前が私を殺したのは
この作品を読んでから
中原中也とか谷崎潤一郎
江戸川乱歩等
耽美主義やデカダンスに惹かれて行ったような
「こころ」とは違う
美意識で成り立つ文章
その一方で
「硝子戸の内から」だったと思いますが
痛切な恋の思い出を保つために死ぬか
恋の思い出が薄れるのに耐えて生きるか
という女性の相談に
「生きていた方が、よいでしょう」と答える漱石
「死」がわからぬから、勧められない
「生」が辛いものと知っているから、勧められない
でも、わからぬものより、少しはわかっているもの
悩みながらそちらを勧める漱石
ありがちの道徳を更地にしたところで
答えを出すこと
思春期の小娘にとっては心のヒーローでありました。